伊予三島の隠れ家が繰り出す新たな名物

　JR予讃線伊予三島駅から徒歩３分のすこし奥まった路地にたたずむ　和季食彩　花のぼり。
　創業20年とは思えない、清潔で落ち着いた雰囲気の店構えで、店主の井川佳彦さんが旬の食材を取り入れた料理を提供しています。井川さんは「料理も大事ですが、器や接客など含めたお店の総合力を高めたいです」と語ります。
　「鱧は繊細だと思います」と井川さん。氷でしめすぎてしまうと、身が固くなり、せっかくの食感が壊れてしまうのだそうです。なので、お店には水槽を構えて、活かした鱧を入れておき、直前にさばいてお客様にお出しするようにしています。鱧は獰猛なので噛みつくと大けがの恐れもあるので、そのこだわりに心を打たれます。
　味付けも淡白な味を引き出すために刺身は昆布じめにするなど細やかな配慮を欠かしません。そして「せっかくの食材なので全部使い切りたい」と、皮、骨、浮袋などもあらゆる部位を活用していくのが井川流です。今回の鱧の骨を取る技法で「料理の幅が広がった」という井川さんは「ご当地でそれぞれ鱧の魅力を引き出すようにしていきたい」と意気込んでいます